東京高等裁判所 昭和30年(ネ)2263号 判決
控訴人は被控訴人の代理人として吉永二郎がその権限を越えて金十万円につき控訴人と保証契約をしたもので被控訴人は当然その効力を受くべきものであると主張するが、仮りに控訴人において吉永二郎の右権限踰越行為につきその権限ありと信じかつそう信ずるについて正当の理由を有した場合であれば、民法第百十条により実体法上被控訴人において金十万円の全額につき保証人としての責を免れ得ないということはあり得るであろうが、本件のような公正証書により執行認諾の意思表示をすることについては右民法表見代理の規定の適用又は準用はないから、この点に関する控訴人の主張は、主張自体失当であつて排斥を免れない。
(藤江 原宸 浅沼)